メールや掲示板の書き込みから寄せられた 多くのご質問からいくつかを抜粋してまとめてみました。
みなさんのジェットスキーライフのお役に立てば幸いです。

ジェットスキーQ&A 1

 

シングル46シャワーキャブについて

 
 
SJのツインキャブをシングル46シャワーに
したのですが、MジェットとPジェットを何番ぐらいにしたら良いのか
まったくわかりません。

まずシャワーキャブは特殊なキャブですからセッティングはかなり
難しいと覚悟してかかってください。
データーが無いようでしたら 1〜2回 焼き付くのは当たり前と考えてから
セッティングを始めないと 後で後悔します。
ただし半年、1年かけても ほんとのベストセッティングが出ると、かなりの
パワーアップが見込めるので使う方も多いようです。
特に低中回転のトルクはすごいです。


中古でかったのですが、それにはM、190 P、135が入っていました。

シャワーキャブはジェットサイズが大きく変化しますので 既存のサイズは
無視した方がいいです。
バルブシート、スプリングのサイズは??

皆無の状態からセッティングを出す場合は バルブシート、スプリング、各ジェット
ともに小さめのサイズから始めた方が近道です。
理由は ガソリン量が多い場合 いくらスクリューを回しても 変化が少なく
かぶっている幅が見えてきません
このまま走らせると焼き付くぐらい ガソリンが少ないようなときは スクリューを
回すと それなりに変化が見えてきます。

以上の事から私なら バルブシートは #1.5 から スプリングは 115g から
セッティングを始めると思います。
ジェットは想定できるサイズにかなり幅があるので難しいですが 過去に
使ったことのあるサイズは メインジェットが #160〜#230 パイロットが
#130〜#150 ぐらいです

あと キャブを加工したメーカーによって特性が全く違いますし 同じメーカーでも
リングの形状、穴の位置、穴の大きさなどでも特性が変わってきます。


それでまず乗ったのですが、ゼロから一気にあけると
スムーズに吹けあがらず、ペラが空回りするようにグイグイグイッと
ふけあがります。そして、20メートルくらい走ったらいきなりスピードが落ち、
ボーーーッといいながら歩くぐらいのスピードになってしまいます。(全開にしたままです)

シャワーキャブは その構造上 特に中回転でガソリンが多く噴出するように
なっています。
従って低中回転でひどくカブって ガソリンがたれ流しの状態も考えられます。


スクリュウ調整でなんとかなるものでしょうか?

とんでもないです!
最低でも10〜20回はジェット交換のためにキャブを取り外す覚悟は必要です。
ジェット交換は1日に3〜5回ぐらいしか出来ないでしょうから ゲレンデに
2〜6回は通わないと ベストセッティングは出てこないと思いますよ。


(ファクトリーパイプB、ヘッド純正スライス
です。)ファクトリーパイプ付属していたM、145 P、120も試しましたが、
もっと悪くなったような気がします。

上記のようなことから 思いつきのサイズを試しても無駄なように思います。


キャブ以外の原因は何かありうるでしょうか?

十分に考えられます!
症状からすると電気系統がおかしい場合によくあります。
このようなときは以前使っていたキャブに戻して 電気系統が正常に
動作しているのを確認してから キャブセッティングをおこなった方が
いいでしょう。

キャブのカブっている症状と電気系統でリークを起こしている症状は
非常ににているので 初心者には判断が難しいです。


キャブに取り付ける燃料ホース、

キャブに刺さる燃料ホースで リターンホースとインホースを刺し間違えると
一瞬、走るもののすぐにエンジン停止するという症状が出ます。


パルスホースはインシュロックしていません、これも影響ありますか?

スコスコでは影響が出る可能性が十分あると思いますが セッティング中は
使っていないことも間々あります。


ガソリンがついてこないのでしょうか?

現段階では情報量が少なすぎて わかりません。


トラブルが発生したときは まず 

 ガソリンが多いのか少ないのか?
 電気系統が正常に動作しているのか?
 破損箇所は無いか?
 改造してからおかしくなった場合は元に戻すと直るのか?

などのように一つずつ検証していくことが大切です。
偉そうなな事を書いてしまっている私も初心者の方も 検証する内容は
同じです。
みなさんよりほんの少し経験が多いだけです。
つまり、以前にみなさんと同じようなところで苦労した事があるって事ですね・・・
 



 

バックファイヤーが発生する

 

750sxエンジンをx−2に載せたくてがんばってるんですが、アイドリングでエンジンはかかる状態でアクセルをあけてもふけません。そして、バックファイヤーがアイドリング状態で少しあるように思います。ゆっくりアクセルをあけると少しふけてエンジンスットプ(ほんと少しふけるだけです)キャブ調整はまだできてないのは確かです。
教えて頂きたいのは、1.バックファイヤーが発生する原因 2.アクセルを一気にあけるとエンジンが止まる原因(燃料行き過ぎ?少なすぎ?)それすらわからない未熟者に誰か教えてください。出来れば大至急ヨロシクお願いします。

 
 
ご質問についてですが 
1.バックファイヤーが発生する原因 
ガソリンが多い
点火時期が合っていない
電圧が弱い
アース不良
などが考えられます。

2.アクセルを一気にあけるとエンジンが止まる原因
いっきにストンと止まるときはガソリンが足りない、または来ていない
プルンプルンと少し粘りながら止まるときはガソリンが多い、または電気系の不良
以上の点をふまえて
ガソリンが多いと判断したら、ほんとにガソリンだけか?  電気系は問題ないか?
ガソリンが少ないと判断したら、ガソリンラインが詰まっていないか?  キャブ内部は詰まっていないか?
簡単に書きましたが 一つずつ順番に検証していくことが大切です。

すぐに走らせようと「まぁ〜いいか!」と言う安易な気持ちで 手抜きの検証をしてしまうと
やっと走り出した頃に 「焼き付く」と言う最悪な事態もよくありますので 要注意です。


 

MTBEが含まれていないか

 
 
>  HP3時間も見てしまいました。
> ちょっと質問なんですが、ここにメールしていいんでしょうか
> ?
> 実はJJSFで決められているガソリンの事なんですが、同じチー
> ムの人がハイオクをどうしても使いたいらしく、ガソリンスタ
> ンドにMTBEが含まれていないか聞きまわっているのですがそこ
> のガソリンを買って、調べてもらうしか方法はないでしょうか?

その通りです。
現在、JJSFではMTBEと鉛の含有量について検査依頼を行って
いるそうです。
つまり 一台のジェットから採取されたガソリンを検査に出すと
\30,000- 以上かかるそうです。
全クラス採取すると結構な金額になりますね!


> 調べてもらうのには¥15000ぐらいかかるらしく、今は他のメ
> ーカーと提携しているところも多く、調べてもらってもいつ変
> わるか分からないので不安だそうです。

よくご存じですね
現在のガソリンメーカーはコスト削減のため タンクローリーを
共有で輸送会社に依頼しているため MTBEが入っていないと
思っていても混入している可能性はかなり大きいです。
東京などの首都圏近郊は 物量自体大きいためほとんど
混ざっていないそうですが 他メーカーからの輸送依頼も たまに
あるそうです。


> レースに出ている人で
> ハイオクを使っている人もいると思うのですがどうされている
> んでしょうか?

掲示板でみなさんに聞いてみるのもいいと思いますよ

私個人の意見は 危ない橋を渡るハイオクを使うなら 練習と
レースとでヘッドを使い分け レーガスを無理して使うか
レギュラーガソリンで徹底的に煮詰めたセッティングを出すか
だと 趣味の延長上でレースをやっている方なら 後者に
なってしまうような気がします。

ただ、レギュラーガソリンも馬鹿には出来ません。
エンジンの仕様が全く同じならば ハイオクよりもレギュラーガソリン
の方が早く走ります。
燃焼温度が若干高いので パワーもでますが焼き付く確率が
あがるのも確かです。
焼き付く原因をガソリンだと決めつける前に ヘッド形状や
チャンバーの温度、キャブのセッティングなど その他の
原因の方が多いと思いますので 見直してみてはいかがでしょうか



 

負圧のニップル

 
 
教えていただきたいのですが、SJリミテッド
製作実践レポートの中で、負圧のニップルを
フロント側に増設するとありますが、これは
どういうことですか?

SJの純正の状態ではキャブレターについている負圧ポンプが
一つしかついていません
そのポンプから送り出されたガソリンが二つに分けられ 1番側&
2番側へと送られていきます
従って 一つの負圧ポンプを作動させるためにクランクケースには
一つの負圧ニップルでいいのは当然です

しかし、リミテッド艇を制作するには 一般的にキャブレターを
社外の大口径キャブに交換するので その際にポンプからの
圧そう量が十分足りるようにするために ポンプが2つついています。
この増えたポンプのために ニップルを増設します。

手抜きをするなら 純正でついているニップルから二股に分け
「1番側ポンプ&2番側ポンプ」などでも動かないことは無いですよ 


1、これをどこにどうやってつなげるのですか?

1番側クランクケースに増設ニップルをつけたので 当然、1番側キャブの
背中にくっついているポンプに配管します。


2、増設した場合、何がどう変わって、どれくらい違うものなのか。

ニップルを増設したことで ジェットが速く走る訳ではありません。
おそらく 体感は出来ないでしょう。

じゃ〜なぜ?
保険みたいなものです 
徹底的にセッティングを詰めていくと この辺のところが原因で
「ガソリン量が足りない!」
「トップでノビがない」
「トルクがでない」
などの症状で悩まないように 基本的なチューニング部分は
すべて事前に加工しておくことが 失敗のない安定した
エンジンを作る基本です。


3、増設にあたってのポイントや、他のパーツの改良点、、
  注意事項などがありましたらお願いします。

もう、お分かりだと思いますが キャブを社外の物に交換しない
限りは 必要ありません。

上記で「すべて事前に加工しておくことが・・」などと書きながら
変ですが 無駄な物、よけいな事、などは下手にやらない方が
ましだ! と言うこともあります。

つまり その人のチューニングやセッティングの技量に大きく
左右されますので 何かやりたいときはチューニングに詳しい
友人やショップさんに相談されてからの方が得策です。


 

”スキッシュエリア”?

 

550ヘッドスライスの件ですが”スキッシュエリア”というもの詳しく教えてください。 どのようにするのか、また、専門知識がいるのか、難しいのか、がんばれば出来る範囲か。

あと、”生のメッセージ”はいつ頃再開でしょうか?

  アドレス間違いで 返信出来ませんでした

 
  ヘッドのフライスは出来ないことは有りませんが それなりの経験とデータが必要です。
私もヘッドは40個ほど削りましたが 旋盤しか有りませんのでもっぱらドームタイプの 加工のみです。
スキッシュエリアとは「A」の角度のついた部分全体を指します。
フライスを行うとこの部分が少し無くなってしまうので スキッシュ加工が 必要になってきます。



「A」 スキッシュ角度  通常10度〜13度(ピストン形状によって違う)
「B」 ボア径のはじの段 通常 0.3〜0.5mm送り込まれている
「C」 ピストンサイズより通常 0.5〜1.0mm大きめに出来ている
「D」 フライスを行うとここの距離が短くなる(点火時期に影響する)
「E」 ここが長いと高回転向き 短いとトルク重視向き(最近は短くなってきた)
「G」 ピストンの角からヘッドまでの最短の距離(パンチに影響する)
「H」 シリンダの内径からピストンの最大径を引いた距離

すべてがパワーと密接に関係しています。
初めてご自分で加工されるようですので 数値的に大きく外していなければ フライスしたぶん 同じ形状になるようにするのが無難でしょう。
いくつか加工してみて分かってきたら いろいろチャレンジしてみて下さい。

 たとえば 回るエンジンにしたいなら 「F」が短く「D」を長くする(昔、流行った)
パンチを出したいなら「G」を短くする。(ストックは1.5〜2.3mmぐらい)
限界で0.9mm程度 ここまでくるとデトネーションとの戦いになる。

上記のようにこのような法則が沢山あるので それの組み合わせによって すごいパワーも出るし 走るたびに毎回壊れてしまうエンジンも出来てしまう。
省略して説明するとこんなところでしょう。

一部の方からの書き込みが文字化けしてしまうので 返事を書けないことが しばしば有りましたので 当分再開するつもりは有りません。

では頑張って下さい。


  いつ動かなくなるか 不安なのです。  


現在エンジンは、AMCのヘッドとファクトリーのLTD(もちろん中古)のみで キャブはノーマルです。
(手先の器用さには自信があります。)
船体内部にFRPを7枚貼っている為、チャンバーとのクリアランスが無く、芯だ しもなにもありませんでしたが、幸いまともに走っております。
セッティング等何もしていないので(というか、できない)、いつ動かなくなるか 不安なのです。
お忙しいとは思いますが宜しくお願いします。


 
  芯出しはレースにでも参戦していない限り 通常は振動などの支障がなければ 必要 が有りません。
キャブはノーマルでもチャンバーとヘッドを交換していれば 一般的にはメイン ジェットやパイロット ジェットの交換は必要になってくるはずです。
キャブセッティングをきちんとお話すると一冊の本が出来てしまうほどになってしま うので はぶきますが まずはスクリューを回してみて走りがどのように変化するかを 体で 感じることが 大切です。
次に どこかをさわったら必ず元に戻してから 次のことを行うことが大切です。
セッティング中の壊さない方法は たとえ全快にエンジンを回しても距離が短ければ (150m〜200m) 何回やってもほとんど壊すことは有りません。
この方法は JJSFに参戦しているプロクラスのトップライダーも驚いて採用していま す。
キャブセッティングについては今後ホームページ上に少しずつ書いていくつもりです ので のぞきにきて下さい。
では いい結果を楽しみにしています。


  最低限のことは自分でやりたい  


恥ずかしながら、オーバーホールはできるのですが、どこをどうイジルとどうなる のか、ということがわからないのです。
初心者なのだから中途半端にいじらず、ショップでキッチリと作ってもらったほう が良いというのは もちろん分かっていますが、最低限のことは自分でやりたいのです。


 
  もしも「最低限のことは自分でやりたいのです。」と言うので有れば 多少のリスク は覚悟の上で チューニングにトライしてみて下さい。
私も10年前に同じような気持ちからいじり始めました。
もちろん当初は壊す方が多かったですがね・・・


  詳しく書いた本・ホームページをご存 知でしたら・・・  


初めまして、私は今年からフリースタイルを始めたばかりの初心者なんですが、 キャブレターのセッティングのやり方などを詳しく書いた本・ホームページをご存 知でしたら教えて頂けない>でしょうか?


 
  車やバイクの書物でキャブレター関連の事を掲載している物は有りますが 残念ながらジェットスキーでやくにたちそうな本などは全く有りません。


  エンジンを空ぶかししてると・・・  


たびたびで、悪いんですけれどまた、セティングについてのしつもんです。
陸にあげてから、エンジンを空ぶかししてると、回転数があがったままアクセルを放していても、とまりません。
あと、プラグキャップをはずしてもとまらなくなります。 どうしていいか、わかりません。
教えてもらえませんか。


 
  ご質問の件ですが いわゆるエンジンの「焼き玉」状態って言うことです。
原因は不必要な 空ぶかしによりエンジン温度が異常に上昇してしまい それをきっかけに アイドリングを出すために微妙に開いたバタフライのすき間からガソリンと空気が入り込み 高圧縮により勝手に異常燃焼してしまうことにより起こります。

**焼き玉現象を起こさせないための対策**
ほとんどの場合キャブセッティングが合っていない時に起きますので セッティングを見直す必要が有ります 特にスローがらみですが スロースクリューのみのセッティングではなく パイロットジェットやバルブシート、スプリングなどのサイズを見直して下さい。

 何もさわっていないのに突然この症状になったときは
キャブが2次エアーを吸い込んでいる
 キャブ下やインマニのガスケットがとんでいることも有ります
または、ガソリンがでにくい状態
 フィルターやキャブ内部に異物や塩が混入して詰まってしまっている

**焼き玉現象が起きてしまった時の対策**
異常燃焼を起こしているわけですから プラグを抜いたり バッテリーコードを抜いても全く無意味です。
 あわてずにアクセルレバーを全開に握って下さい。 すぐにエンジンは停止します。
理由は空気とガソリンの量のバランスが崩れることにより 停止します。

**参考**
焼き玉現象はバッテリーコードを抜いてもだめと言うことは CDIが無意味になっているので 当然リミッターも効きません つまり回転数がゆうに1万回転以上になったまま 冷却もせずに回りっぱなしなってしまうと言うことです。


 

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