Anikiの気ままにコラム!   <2>

 
2000/6/15
 
    レースの反省会  
   


 昨日、S君がきました。  チームテントの片づけやトレーラーの入れ替えなどで メンバーやOBが集まり ついでにストッククラスのレース談議に花が咲き 楽しい夜でした。

 そこで一番話題になったのが ウルトラ150やGP1200-Rのトップスピード早さでした。 写真を見ながら あまりの違いに 予想はしていたものの 一同ガクゼンとしてしまいました。
 しかし、どう考えても違いが有りすぎると言う結論から キャブセッティングに問題は無かったか もう一度検討し直した。

 まず、レース一週間前のセッティングでは エンジンのかかり難さはあったものの トップまできれいにふけ上がり 平水での回転数が 6.940rpm まで回っていた。
 プラグの焼けはちょうどいいきつね色、ついでにヘッドをはぐってピストンの上面を確認すると 排気方向に向かってきれいな模様も出ていたため ほぼ、ベストなセッティングと言いたかったが とにかくエンジンのかかりが悪い!。
 そこで エンジンがかからないとまずいと言う判断から スクリューでは対応仕切れないのでパイロットジェットを一番 上げてレースへ望むことになった。

 土曜日、レース会場近くでのテスト走行で判断をミスっていた。
天候の影響でかなりカブッていたことから スクリューのみで絞り込み カブリを取ろうとしたために その時点ではそこそこトップまで回っていたが エンジンのかかり難さを忘れていたために レース当日の練習走行で 例の「キュルキュル・・・・あ〜あレスキュー!」事件になってしまった。
 当然、ライダーのS君としては もうプカプカ浮かびたくはないので  スクリューを少し開けてしまった。
トップが少しのびていないかな〜と思いつつ プラグを確認すると ま〜ま〜なきつね色。 で、そのまま予選、決勝と挑んだ。

 ここまで整理して書けば 分かる方なら気がついてもらえたと思いますが 天候の変化で一週間前にだめだと判断したセッティングが レースの当日では パイロットジェットの小さい方が ベストセッティングになっていた。
 しかし、土曜日のテスト走行では  「パイロットジェットが小さいとエンジンがかからない」と言う先入観が S君に働いてしまい スクリューのみで調整をしてしまった。

 S君の感覚では 先週よりも少しトップが無いかな〜ぐらいの 軽い気持ちだったようですが たぶん回転数では 6.800rpm 程度しか回っていなかったのでは無いでしょうか。

 次のレースに向けては もう少し安定してセッティングが出せるように 細かいところの調整が必要になってきました。 たぶんS君は労力を惜しまない努力家なので 次もいい結果を出してくれると期待しています。
みなさんも 楽しみにしていてください。





   
   
2000/6/15
   
    「こわし常習犯」の出現!  
   

 
  一年を通して この梅雨の時期が一番セッティングが変化する時期です。 つまりもっともエンジンが壊れやすい時期ともいえます。
 現に「こわし常習犯」のN君 またまた焼き付いたピストンを持ってきました。

 写真の「A」の部分が デトネーションを起こした部分になります。

  燃焼室内が異常燃焼を起こし ピストンがひどい高温になり 溶けて素材が 変化してしまった様子です。

「B」の部分は吸気側の長い穴があいている正面ですが 本来、冷却効果の あるはずの混合気が入って 冷やされるはずですが、冷やすどころかその 混合気がプラグの着火以外で勝手に燃えてしまって とんでもない高温になり このように溶けてアルミが吹き飛んでしまうわけです。

 デトネーションの対策はいろいろ考えられます。
ガソリンを変える
点火タイミングを変える
ヘッドの形状変える
コンプレッションを下げる
そしてキャブセッティングを変える

  デトネーションの80%はキャブセッティングで解決できます。
つまり、ほとんどの場合 「先日まで調子よく走っていたのに どうして?」と言うパターンが多いからです。
これが 新しいヘッドをつけたとか、えたいのしれないCDIをつけたとかですと話は違いますが 最近のような梅雨の時期は 空気の密度が下がり ガソリンがいらない方向へ行きます。
 従って、カブリ気味の症状になってきますが そこでスクリューのみで安易なセッティングを行うと 体感ではカブリが取れたような気がしてますが エンジン内では微妙に余ったガソリンが 異常着火起こしていまい写真のようになるわけです。

 よくゲレンデで 「焼き付くのが怖いので スクリュー少し開けた」 と言う話を耳にさますが コンプレッションの高い LTD やMODではこの時期、大きな間違いです。
 同じ2サイクルエンジンを使った バイクやカートとジェットスキーのエンジンでは大きく違う点が有ります。 それは恐ろしく高いコンプレッションが簡単に デトネーションを起こしてしまうからです。
しかし、この高いコンプレッションが無いと水の抵抗には勝てないために ここを譲ることが出来なくなってくるわけです。

 しぼりすぎてしまえば焼き付いてしまいますが ジェットスキーの場合 焼き付く前にガソリンが足りないとトップスピードでパワーダウンしてきてしまいます。 またはトップスピード時に回転むらが出てきますので 感のいいかたならすぐに気がつきます。

 そこでAnikiの口癖!

  ベストセッティングにまさる安全圏はない!

  もっともスピードが出ているときが一番安全!


 (ただし LTDやMODに限る)  

   
 


【 HOME 】