寒ーい 冬の夜の話 Part1

夜もふけ シーンと静まり返った病棟
すでに消灯時間も過ぎたのに
カーテンの向こうには モニターの明かり
むろん 相部屋にはほかにも 明かりが
でも 入り口のわきのカーテンには
明かりが さっきから少しも動かない
何故か 耳を澄ますと
コッツン、コッツン、コツコツンと
ゆっくりたたく音!
みんな布団の中に 居るはず
なのに 一人だけベッドから出て
いすに座っている奴がいる
背中を丸め 左手は24時間つながりっぱなしの
点滴スタンドを握りしめ
右手は 人差し指を ピューと伸ばし 
なれない手つきで キーボードをたたく音だった

夜中にふらふら、暗ーい病院をうろうろしている奴!
トイレに行くわけでもなく
真すぐ喫煙所へ
たばこに火を付け ポケットから携帯電話を取り出す
「ピポ パポ パ」 女へラブコールか?


「あにきー メールが送信できないよー!」

中島の2回目の入院 4日目の夜でした


  

  

99/2/16