初夏になってしまった昼の話 Part12


いつの間にか 最高気温が25度を超えてしまうような
日が出現してしまう 今日この頃!

やつはいまだに 病院の中にいた。


さすがに お腹に刺さっていたビニールホースも
残すところ あと1本だけになった。

電話で話す声も 何故か軽やかに聞こえる。
いよいよ退院に向けて秒読み体制か?



ゴールデンウィークをはさんで検査が続く
ところが特殊レントゲン撮影のために飲まされた
造影剤でとんでもないことになった


検査直後から腹痛が始まり まるまる2日間続いた

タダでさえも 笑うだけで痛くて仕方がなかったのに
それが のべつまくなし痛さが続く
やつにとっては 直ってきたつもりでいたところに
とんでもない 仕返しであった
当然、いつものように やつは怒っていた!・・・・



ゴールデンウィークには検査も診察もお休み
そこでやつは考えた。


 「やるしかない!」


      病院脱走計画!



しかし それは少しまずいので 一応 外出許可を申請したら
すんなり OK が出た!

それも2泊3日の外泊付きだ!
前後の2日間は外出後に 夜8時までに病院へ戻れば OK !

天にでも登る気持ちだ!



3ヶ月ぶりの太陽の下 ガタガタ震えて病院へ来たはずが
今は Tシャツ1枚だ  「ウーン 最高の気分!」

空を見上げると 「くらっと来そうな?・・」




「あっ やばい!」

  足もとがふらついている




「おっととー」

  危なくこけそうだった!




やつは 完全に「ぐらっと」来ていた。


  


1999/5/7