道場本堂

GAS

燃料関連

清浄性、環境性能に関するもの




エンジン等の清浄性(メンテナンス性)に関するもの


7) ガム状物質を出さない
 ガソリンを長時間貯蔵しておくと、色が変わったり、ガム状物質を生成することがあり、燃料フィルターやキャブレターを詰まらせます。ガム状物質は、不安定な炭化水素(主としてオレフィン系炭化水素)が酸素と結びついてできるもので、これを防ぐためにガソリンに酸化防止剤を入れています。


8) 吸気系を汚さない
 吸気系統(燃料供給装置、マニホールド、バルブ)は、長時間使用しているとカーボンなどのデポジットが付着してガソリンと空気の混合気の形成やその流れが悪くなります。その結果、燃焼状態が悪化し、排ガス中の有害物質が増加します。それを防止する目的で、ハイオクガソリンには「エンジン清浄剤」を添加しています。これにはデポジットを除去するクリーンアップ効果があります。また、7)のガム状物質も吸気系統を汚すので、酸化防止剤によってガム状物質を発生させないようにしています。



9) 燃焼室を汚さない
 ガソリンの蒸留性状90%点が高い場合、ガソリン中に灯油のような重い成分が入り、その結果、不完全燃焼を起こし、カーボンがエンジン内にたまってしまいます。これを防ぐために、蒸留性状90%点を低くしています。
 また各社ともハイオクガソリンに「清浄添加剤」を添加しており、これにより、エンジンルームがきれいになるクリーンアップ効果があります。


10) 燃料系統がさびない
 燃料タンクに水分がたまっていると、燃料タンクやパイプをさびさせることがあります。このため、ガソリンには防錆剤を添加しています。



11) ゴム、パッキンを痛めない
 ガソリン中の芳香族分やMTBEが多すぎたり、メタノールが入っていると、ゴムやパッキンを損傷させ、燃料漏れの原因となります。そのためガソリン中の芳香族分は低くなっています。粗悪ガソリンで、トルエンやメタノールなどが多量に混入していたら要注意です。




環境性能(排ガス対策)に関するもの


12) 排ガスがきれい
 ガソリンの環境性能は、ドライバーの方々が直接体感できないものだけに、ガソリンを選択する上での基準になりにくい面もあります。しかし、クルマの排気ガスは、酸性雨や光化学スモッグの原因となり、さらに人体に直接悪影響を及ぼすものもあります。
 排気ガスの具体的な対策は、触媒マフラーでNOx、CO、HCを除去する方法がとられていますが、ガソリンの品質面での対策は、「無鉛化」「硫黄分の低減」「ベンゼン含有量の低減」が挙げられます。
 触媒マフラーの性能を著しく悪化する「鉛分」は、日本では80年代前半に世界に先駆けて完全無鉛化を達成しています。
 また、触媒マフラーの機能を低下させる「硫黄分」については、現在国内で流通しているガソリンは、JIS規格(100ppm以下)よりはるかに低い水準にあり、出光の「スーパーゼアス」(5〜-10ppm)を筆頭に、世界一の品質を誇っています。
 今後、輸入ガソリンの動向や販売競争の激化がこれにどう影響してくるか、気になる点です。
 発ガン性物質の「ベンゼン」については、1996年4月から5%以下の規制ができ、2000年には1%以下の規制が実施されます。出光では、1993年12月から、すでに1%以下を達成し、1996年4月にエコマーク商品の認定を受けています。

メーカー資料参照

ガソリンに求められる性能とは  走行性能(ドライバビリティ)に関するもの  清浄性、環境性能に関するもの  
 ガソリンの品質について  ガソリンの製造方法  ガソリンの詳細について 1(オクタン価) 
 ガソリンの詳細について 2(成分)  ガソリンの詳細について 3(蒸留性状、添加剤)